京都生活 ー雨音に惚れてー

東京から京都に越して来て築90年?の家に住んでいます。見に来ていたときに降り出した突然の雨がトタンの部分に当たる音に惚れて決断した家です。おもしろいこと、すてきな場所、京都について感じたことについて綴ります。

風流人の楽園・渉成園

烏丸七条の手芸洋品店で会員セールをやっていたので、気候も良いことですし、自転車で出かけました。

東本願寺近くに差し掛かった時、「←渉成園」の表示が目に入りました。

渉成園のことは、友人が以前言っていたのを思い出し、ちょっと立ち寄ることにしました。

近辺には法衣店、念珠屋さん、全国から浄土真宗の信者さんたちが東本願寺に一度はお参りしたいと集まってくるので、旅館などが軒を連ねています。

 

渉成園は、東本願寺12代・宣如上人が徳川家光により寄進された土地を隠居所と定め、14代以降歴代の隠居所となっていたそうです。東本願寺勢力の大きさが感じられますね。

渉成園」の名は、陶淵明漢詩「帰去来辞」の「園、日に渉って以って趣を成す」からとったそうです。

 

 

池泉回遊式庭園に建物が点在しています。

 

大人500円以上、高校生以下250円以上の庭園維持寄付金で入園することができます。お礼としてなかなか立派なパンフレットがいただけるので、500円ではなんだか申し訳ない気になってしまい、ほんの少しだけですが足してしまいました。

 

パンフレットも2種類ありましたが、初めての人用の方をいただきました。

色々な石を組み合わせた面白い石垣があって、それに沿って左に行くと、入り口があります。

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パンフレットの最初の方に載っているMAPを見ながら回れば見落としもなく見所を回れたはずですが、私は最初見なかったので、順不同になってしまいました。

 

両側に階段がある変わった建物がありました。傍花閣です。

 

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階上は四畳半の部屋になっているそうです。なんだか風流であると同時に童心に帰って楽しめそうな建物です。

周囲では眩しい新緑の間で鶯が囀っています。

 

歩いて行くと、目の前が開けて、池に向かって座っている人たちもいました。

池には島があって、お茶室があります。

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後ろのビルとクレーンがガッカリですが…

 

池にも菖蒲や睡蓮があるので、その季節もきれいなことでしょう。

 

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池を見渡す位置に立派な建物がありました。1865年頃に再建されたろう(門がまえに月)風亭です。ろう風とは中国の崑崙山脈の頂部にあるという山の名前だそうです。その山には仙人が住むと言われているそうです。

畳を外すと能舞台になるとのことです。

 

一旦入り口方向へ戻って歩いて行くと、橋が見えました。島に渡る橋です。

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かつては来客の折にはこの橋に金灯篭を釣ってお迎えしたそうです。

 

島にはお茶室と、塩を製造する塩釜に形が似ている井戸や、全国の「塩釜の手水鉢」のお手本と言われる、宝塔の塔身を転用した手水鉢がありました。手水鉢も鎌倉時代の制作と、古いものです。

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茶室、板の間、上段の間です。造られた当時は東山の方まで見渡せたようです。

 

庭園内は飲食禁止ですが、のんびりと四季折々の花を眺めたり、茶人が楽しんだ建物を眺めたりしながら散策できるので、また別の季節にも行ってみたいと思います。

見落としたところもありそうですし。