寺町で見つけた本
寺町通りの御池通りから北は、古美術店、紙屋さん、竹細工店、有名なお茶の一保堂や岡崎から移転した漆器の象彦などがあって、落ち着いた雰囲気で好きなのですが、南のアーケードがある方も、三条まではギャラリーがいくつもあったり、民族楽器屋さんや和洋のお菓子屋さん、休日にはいつも行列ができているスマート珈琲などがあって、京都以外の友人が来た時にも一緒にのんびり話しながら歩くのにちょうどよい町です。
御池通に面したアーケードの入り口には、御池煎餅の他に、四季折々上品なお菓子を売っている亀屋吉永(天保3年創業だそうです)と、京都中央信用金庫(中信)があります。
余談ですが、京都にはメガバンクの支店は意外と少なくて、京都の人たちは京都銀行か中信、京都信用金庫あたりを使っているようです。
そのアーケードを少し行ったところに、其中堂という、仏教書専門の古書店があります。アーケードのせいで全体が見えなくて残念なのですが、中国趣味を取り入れた建物に、前から興味はあったのですが、仏教専門と言われるとちょっと敷居が高くて入ったことがありませんでした。
この前そこを通りかかると、外に置かれた棚に、仏教と関係があったりなかったりするけれど、もっととっつきやすい本が並べてあり、その中で、「禅寺のおばんざい 四季の膳」という本が目に付きました。
だいぶ前に、禅寺のお料理の本を借りたことがあり、心込めて作る料理がとてもおいしそうで印象に残っていたのですが、はたして、同じ人の料理本の第2弾でした。
四季の移ろいと共に、自然の恵みに感謝しつつ、食べる人が喜んでおいしくいただけるよう心をつくしているのが伝わって来る、シンプルながらセンスのある品々、自家菜園の野菜を使うこともあるようです。
その本と「おりがみ」(といっても封筒や祝儀袋など、折り形に近い)を購入して帰りました。
会計のために其中堂の中に初めて入りましたが、レジの奥に小さな中庭があって、その向こうに日本家屋がある、心惹かれる作りでした。
著者の西川玄房さんは、妙心寺塔頭の東林院の住職ということなので、帰ってからさっそくインターネットで検索してみると、東林院では、宿坊や料理教室、冬には小豆粥の会、6月には沙羅の花を愛でる会などを開いているとのこと。
ぜひ行ってみたくなりました。