京都生活 ー雨音に惚れてー

東京から京都に越して来て築90年?の家に住んでいます。見に来ていたときに降り出した突然の雨がトタンの部分に当たる音に惚れて決断した家です。おもしろいこと、すてきな場所、京都について感じたことについて綴ります。

祇園祭 曳き初め

7月にはいってから、四条通りのスピーカーからはお囃子が流れているのですが、昨日、今日と山鉾の曳き初めがありました。解体して保管してあった山鉾は10日からロープを使って組み立てられます。鶏鉾と菊水鉾の鉾建てを、お友達と見ていたことがあるのですが、猛烈な蒸し暑さの中での作業は大変です。横にした形で組み立て、完成するとロープを引いて起こします。

 

昨日12日は函谷鉾、鶏鉾、菊水鉾、月鉾、長刀鉾、今日13日は蟷螂山、放下鉾、船鉾、岩戸山がそれぞれの鉾町で一般人も参加して行われました。

 

昨日の四条通での長刀鉾の曳き初めを見学することができました。

巡行するときの山鉾の順番は、2日にくじで決まるのですが、長刀鉾は、祇園祭では必ず先頭と決まっていて、大きく華やかで、人形ではなく生きた稚児が乗っているので、一番人気です。厄除け粽(ちまき)も長刀鉾のを玄関先につけている家が多分一番多いです。

本番の巡行の時と同様に、囃子方と稚児たちも乗っていました。

ああ、本当に祇園祭は、ワクワクします。

 

巡行と違って、曳き初めの時は一般人も曳かせてもらえます。小学生たちも

加わっていました。

 

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時々、稚児が身を乗り出して舞います。実際は舞うというほど動くわけではないのですが、太平の舞といって、人々の平穏を祈るような、祝福するような動きです。

 

扇子を持った人ふたりが音頭を取ります。

「えん・やら・やー」の声と共に扇子を前に出すと、鉾が前に動きます。

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車がゴトゴト、ギシギシ音を立てます。平安貴族の牛車もこんな音を立てていたのでしょうか。

まっすぐ走っているようでも、微妙にコースを外れそうになると、ボートのオールみたいな木の道具を車輪の下に入れて向きを調整するところも、山鉾巡行と同じにしていました。

100メートルくらい?行って、ロープを反対側に付け替え、稚児と音頭方、綱を曳く人たちが場所を変え、囃子方は同じ場所で向きを変えて町会所に戻るために再び進み出しました。

ちゃんと正しい位置に着きました。

タラップ?が前に出されて、鉾を降りて会所に入って行きました。

 

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帰ろうと歩き始めたら、「祇園祭 交通信号作業車」の幕をつけたはしご車が信号のところに止まっていました。ちょうど作業が済んだところでしたが、鉾が通れるように向きを変えてあった信号機を通常の位置に戻す作業をしていたようです。

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美玉屋さんの黒蜜だんご

北大路の私がよく通る区間には和菓子屋さんが3軒もあるのですが、最初から気になっていた、「黒蜜だんご」の看板。登録商標と書いてあります。

(写真撮るのを忘れました。いずれそのうちに)

 

どうして今まで見るだけで買ってみなかったかというと、バラ売りがなくて、1パック10本というのがネックになっていたのです。

 

この前水無月を買ったお店でもあります。

そんなに大きくない「町の和菓子屋さん」という感じで、ネットで検索してみると、創業は70年以上前だそうです。水無月も美味しかったけれど、黒蜜だんごの評判も上々なので、どうしても食べてみたくなりました。

 

多すぎるのはわかっていましたが、誰かが遊びに来るのも待っていられず、ついに今日買ってしまいました。

 

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きな粉がこぼれないように、和

菓子をのせるにはちょっと大きなお皿を選びました。

といってもこの前の水無月と同じお皿ですけど。

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店頭で見ていた感じから、わらび餅みたいなものを想像していましたが、上新粉のやわらかいお団子で、それとの境目がとろっと溶け合うように黒蜜ときな粉がくるんでいる、全体にとろんとした食感が珍しくて美味なものでした。

 

数時間置いたら、お団子の部分は相変わらず柔らかめですが心なしか普通のお団子っぽくなりました。蜜に葛が混ぜてあるので、とろとろなのですね。

 

やはり本日中にお召し上がりくださいと書いてあります。

夕飯はお団子?

 

水無月

和菓子屋さんが決めたのだと思いますが、 6月30日は「水無月の日」だそうで、今年も水無月を買ってくるのを忘れませんでした。

今年は北大路にある美玉屋さんのにしてみました。

氷室の氷を模したという白いういろうに小豆がのっているのと、黒砂糖のういろうのです。お抹茶のもありましたが、あんまり食べ過ぎになるので2種類に。

 

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甘さ控えめのもっちりしたういろうに柔らかい小豆が美味しゅうございました。

 

このところ梅雨らしくなってお天気が良くなかったため、茅の輪くぐりには行きそびれました。下鴨神社の御手洗祭か、祇園祭宵山の山伏山の茅の輪くぐりで厄を除けることにしましょう。

 

kyoto-seikatsu.hatenablog.jp

 

「動いている庭」を見に立誠シネマに行きました

たまたま「動いている庭」という本の広告を見かけて検索したら、ちょうど映画を上映中と知りました。

京都の上映会場である木屋町にある立誠シネマは、元小学校の建物にありました。

何度も前を通ったことがありながら、映画館が入っているとは気づきませんでした。

 

「動いている庭」は、庭師(作庭家というべきか)のジル・クレマンが自分の広大な庭を案内したり手入れしたりしながら庭に対して持っている哲学を語るところや、講演のために来日して、日本の庭を研究しているフランス人と日本人と名庭を巡りながら語るところを撮影したドキュメンタリーです。おでんを食べる時には、コンニャクに驚いて、あの花の根が食べられるとは知らなかったとか、ごぼうも食べられるとは思わなかったと、庭師らしい感想を述べていました。

 

ジル・クレマンは「できるだけあわせて、なるべく逆らわない」という主義で、彼の庭は自然に生えてきたものも生かし、ちょっと見には自然そのままに見えるのですが、最小限のいらないものは抜いたりもしています。

「通り道にこの草が生えてきたけれど、抜きたくないので、道を変えました。それが動いている庭です」と語っています。

日本の庭は、木を常に同じにしておくために刈り込むが、木は生長するものなのにおかしいとも。

瑞々しい緑の中で、雨の中作業する音や色彩、小さな流れにサンショウウオがいたりするのも、心地よかったです。

 

昼食をとらずに行ったので、始まる前にカフェに行きました。食事はないので、クッキーとほうじ茶をいただきました。ほうじ茶は熱くて飲みきれなかったので、会場に持って行きました。

 

カフェは一階の入り口を入ってすぐのところにあるのですが、最初見逃してしまいました。よく見ると「営業中」の札が。

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カフェの中です。

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窓際に座りました。中庭に面しています。

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私に写真の知識と腕があれば、もっと素敵に撮れるのに、残念。

 

カフェの窓から正面に見えた水道です。

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校舎は1923年に建設されたもので、小学校は1993年開校、今はイベントなどにも使われています。この地でリュミエール兄弟のシネマトグラフが日本で最初に投影されたとのことです。

 

校歌と卒業生制作のパネルがありました。

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シネマは3階にあって、定員数十人と小ぢんまりしています。低い椅子にくつろいで座って見られました。

 

今度この建物を宿泊施設にする計画ができて、立誠シネマは名前を変えて出町柳に移転することになったと、数日前のニュースで聞きました。

ここは7月30日で閉鎖されるそうです。

この映画館、もっと早く知っていればよかった。

 

外観です。

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高瀬川に面しています。

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【重要】立誠シネマ終了、移転のお知らせ | 立誠シネマプロジェクト

 

動いている庭|The Garden in Movement

ヴォーリズの建築 バザールカフェ

ブログをご無沙汰していた間のこと。

今出川駅近くのバザールカフェに行きました。今出川に住んでいた頃は何度か行きましたが、数年ぶりです。

住宅街の中にある洋風住宅をカフェとして使っています。

入り口は写真に写っているドアではなく、庭の方です。

 

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最初に訪ねたきっかけは、この家は、メンソレータムで有名な(今は名前と商標は売ってしまったのかな?)近江兄弟社近江八幡に創設した、宣教師でもあり、建築家でもあったヴォーリズが設計したものなので、一度見たいと思ったのです。

なぜヴォーリズの建築のファンになったかといえば、母校の校舎がヴォーリズの設計で、その建物のおかげで、私は学校に毎日喜んで通えたからです。昭和初期の建物でしたが、分厚い壁、鉄の窓枠、水晶みたいなカットガラスのドアノブ、仄暗い廊下の片隅、講堂のアーチ型の窓…   残念なことに、今は建て替えられてしまいました。

 

バザールカフェは壁を今の表情のない塗料で塗ってしまっているのが残念ですが、緑の庭に面したテラスでは春や初夏には気持ちよく過ごせそうです。

 

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テラスで食事している方もいらっしゃいましたが、私は今回も室内に。

 

マントルピースがあります。

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前は五百円のランチがありましたが、さすがにそれでは無理があったか、六百五十円になっていました。その日の日替わりランチは焼肉でした。

私は桜えびのココナツカレーにしました。お値段はランチと同じでした。

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営業日は水、木、金、土です。イベントもあるようです。

貸切にも対応しているようです。

 

バザールカフェは普通のカフェではなく、「セクシュアリティ、年齢、国籍など、異なった現実に行きている人々が、ありのままの姿で受け入れられ、それぞれの価値観が尊重され、社会の中で共に生きる存在であることを相互に理解し合う場の創出」という目的を持って運営されているとのことです。

詳しくは

http://www.bazaarcafe.org

 

ついでに、烏丸通にあるヴォーリズの建築、大丸ヴィラです。

中に入って見たいと願っているのですが、大丸デパートの顧客対象のイベントなどが行われているという話は聞いたのですが、今はそのようなイベントには使われていないのか、一応カードは持っていても上得意ではない私が招待されないだけか、機会がありません。

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風流人の楽園・渉成園

烏丸七条の手芸洋品店で会員セールをやっていたので、気候も良いことですし、自転車で出かけました。

東本願寺近くに差し掛かった時、「←渉成園」の表示が目に入りました。

渉成園のことは、友人が以前言っていたのを思い出し、ちょっと立ち寄ることにしました。

近辺には法衣店、念珠屋さん、全国から浄土真宗の信者さんたちが東本願寺に一度はお参りしたいと集まってくるので、旅館などが軒を連ねています。

 

渉成園は、東本願寺12代・宣如上人が徳川家光により寄進された土地を隠居所と定め、14代以降歴代の隠居所となっていたそうです。東本願寺勢力の大きさが感じられますね。

渉成園」の名は、陶淵明漢詩「帰去来辞」の「園、日に渉って以って趣を成す」からとったそうです。

 

 

池泉回遊式庭園に建物が点在しています。

 

大人500円以上、高校生以下250円以上の庭園維持寄付金で入園することができます。お礼としてなかなか立派なパンフレットがいただけるので、500円ではなんだか申し訳ない気になってしまい、ほんの少しだけですが足してしまいました。

 

パンフレットも2種類ありましたが、初めての人用の方をいただきました。

色々な石を組み合わせた面白い石垣があって、それに沿って左に行くと、入り口があります。

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パンフレットの最初の方に載っているMAPを見ながら回れば見落としもなく見所を回れたはずですが、私は最初見なかったので、順不同になってしまいました。

 

両側に階段がある変わった建物がありました。傍花閣です。

 

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階上は四畳半の部屋になっているそうです。なんだか風流であると同時に童心に帰って楽しめそうな建物です。

周囲では眩しい新緑の間で鶯が囀っています。

 

歩いて行くと、目の前が開けて、池に向かって座っている人たちもいました。

池には島があって、お茶室があります。

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後ろのビルとクレーンがガッカリですが…

 

池にも菖蒲や睡蓮があるので、その季節もきれいなことでしょう。

 

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池を見渡す位置に立派な建物がありました。1865年頃に再建されたろう(門がまえに月)風亭です。ろう風とは中国の崑崙山脈の頂部にあるという山の名前だそうです。その山には仙人が住むと言われているそうです。

畳を外すと能舞台になるとのことです。

 

一旦入り口方向へ戻って歩いて行くと、橋が見えました。島に渡る橋です。

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かつては来客の折にはこの橋に金灯篭を釣ってお迎えしたそうです。

 

島にはお茶室と、塩を製造する塩釜に形が似ている井戸や、全国の「塩釜の手水鉢」のお手本と言われる、宝塔の塔身を転用した手水鉢がありました。手水鉢も鎌倉時代の制作と、古いものです。

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茶室、板の間、上段の間です。造られた当時は東山の方まで見渡せたようです。

 

庭園内は飲食禁止ですが、のんびりと四季折々の花を眺めたり、茶人が楽しんだ建物を眺めたりしながら散策できるので、また別の季節にも行ってみたいと思います。

見落としたところもありそうですし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京のパワースポットのひとつと言われる 大将軍八神社

たまたま図書館の本で大将軍八神社の方徳殿が5月1日から5日まで公開になっていると知ったので、早速行ってみました。

 

5月の他に11月1日から5日にも公開されます。それ以外でも予約すれば拝観できるようです。

 

前にも書きましたように、現在の御所は烏丸通の方にありますが、平安時代には今の千本通(当時は朱雀通)にありました。

 

近くに行くと、こんなお店が。

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大将軍商店街は妖怪ストリートとしてイベントなどやっているのでした。

昔ながらの洋品店、大きな金魚が水槽にいる金魚や鯉のお店、コロッケ、お漬物、パンなどちょっと懐かしい商店街です。

kyoto-taisyogun.com

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大将軍八神社です。

 

本殿にお参りしてから方徳殿(宝物殿)に行きました。

 

1階には平安中期から鎌倉時代のご神像が安置されています。武装像50体、

束帯像29体、童子1体です。武装像は皆、眉間に八の字のシワを寄せ、眉を釣り上げ、目を大きく開いて睨んでいますが、束帯姿の文民?はそれぞれ実在のモデルがいるのではないかと思わせるような個性あるリアルな表情をしています。

 

宮司さんの説明によりますと、御所を守護する神社が四方に招請され、今に残るのは北西の角(陰陽道の天門)の、この大将軍とのことです。

御所を作るにあたり、北に船山、南には干拓で農地になった巨椋池と、山と水がある地が選ばれたそうです。

 

2階にはひっそりと平安時代のお不動様の木像があるのですが、神仏混淆だったからということです。第2次大戦頃の外来の神様がいけないとなった時代に、大将軍神及び八将軍神と、スサノオの命とその神子八神を習合して、「大将軍八神社」となったのだそうです。

 

元々の大将軍とは、陰陽道道教の信仰による方位を司る星神で、方徳殿には陰陽道関係の資料も展示されています。陰陽師の仕事というのは、本来は、暦を作ることだそうです。

地球儀のような天球儀も展示されていました。この大きさのものは日本に3つしかないそうで、その内の一つとのこと。球の中心から空を見上げて見える星が記されているけれど、日本から見えない星はそこにはないそうです。

 

大将軍八神社は、現在も建築・移動・婚姻・旅行・交通等の厄除けの神様として信仰を集めています。

私は、長期旅行の前に、友人がここのお守りをいただいてくれました。

 

 宮司さんによりますと、昔の御所の南東には大きな池があり、その一部は神泉苑に残り、一部は二条城のお堀に使われたそうです。