京都生活 ー雨音に惚れてー

東京から京都に越して来て築90年?の家に住んでいます。見に来ていたときに降り出した突然の雨がトタンの部分に当たる音に惚れて決断した家です。おもしろいこと、すてきな場所、京都について感じたことについて綴ります。

祇園祭 山鉾巡行くじ取り式

祇園祭山鉾巡行と宵宮が有名ですが、実は7月1日に始まり、7月末まで儀式があるのです。

 

7月2日、京都市役所市会議場に、くじ取り式の見学に行きました。

前もって申し込み期間内に申し込み、当選すると、見学することができるのですが、去年、一昨年ははずれ、3度目の正直で、一度は見てみたいという願い叶って、当選のお知らせが郵送されてきました。

 

早めに家を出て、自転車を走らせ、市役所前に到着、バッグの中を見ると、ない!

「必ずこのお知らせをお持ちください」と書いてある、お知らせが入ってません!

カメラやスマホ、お財布は忘れてないか確認したのに。なぜかそのプリントは真っ先にバッグに入れたと思い込んでいました。でも、そういえば入れた記憶がありません。お財布と一緒に置いておいたのに。

名前と住所を言えば入れてもらえるかもしれないと思ったのですが、受付も探すのに時間がかかりそうでもあり、取りに帰ることに決めました。

15分で往復できるとは思えなかったけれど…

 

安全だけは心がけながら自転車を飛ばし、家に帰ってみると、ありました。

その日はいらないからとバッグから出したものの下に。

 

市役所に戻ると、当然遅刻してしまってましたが、ありがたいことに入れていただけました。受付は新築の西庁舎でしたが、案内していただけなかったら、たどりつけなかったと思います。それほど複雑な経路でした。

 

音を出さないよう気をつけて議場2階の傍聴席に入りました。

 

市長、八坂神社と山鉾の関係者は、紋付袴姿で居ならび、厳粛な雰囲気です。

山鉾関係者は、涼しげな紗の羽織です。

 

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市庁舎も歴史ある建物ですが、市議会議場からは、京都の議会の歴史が感じられました。むかって左側に肖像画、右側に写真がずらっと飾ってありました。

 

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壁紙(布)は金色の絹のようです。

 

 

くじを引く順番を決める予備のくじが既に行われていて、その順番に従って巡行の順番のくじを引くのですが、すでに前祭の鉾のが済んで、山のくじ取りが行われているところでした。

山鉾の中には、常に先頭の長刀鉾や最後の船鉾など、くじ取らずと言って、順番が決まっているのでくじを引かない鉾と山があり、それ以外の山鉾が今年巡行する順番がこのくじ取り式で決まります。

前祭、山のあとには、2基の傘鉾、その次は後祭の山6基の代表者がくじをひきました。

(余談ですが、綾傘鉾は、イケメン青年の棒振り踊りがネット上では知る人ぞ知る話題になってます。当日は顔が見えない扮装です。お囃子もいいですね。)

https://youtu.be/oBb56yM658E

 

「 後祭 山6基のくじ」というと、6枚のくじがはいった封筒とハサミを載せた三宝が市長に差し出され、市長が封を切ってくじを取り出して枚数を確認。それを別のかたが一枚一枚書いてある数字が見えないように折って参謀に乗せ、山の代表者が一枚取り、読み上げて会場に見えるように掲げます。

前の机では、毛筆で「何番 なになに山」と書いていて、全部のくじ引きが完了後、各山鉾に渡されました。

その紙は、巡行の際、四条通りで行われる「くじ改め」で手箱から出して、奉行役の市長に提示することになります。

 

 

山鉾連合会の理事長さんが、閉会の辞の中で、健康で商売もそこそこうまく行っていないと、今日のこの日にここでくじ取り式に出席できないので、ここにいられる幸せを思う、人間は皆早い順番を取りたいので、くじを引く人の責任感、プレッシャー、遅い順番を引いた時の落胆などがひしひしと伝わる、と述べられたのが印象的でした。

京都生まれでも鉾町の住人でもない私にも、それが感じられたくらいですから。

 

このくじ取り式は、先陣争いを避けるために始まったそうです。

そして祇園祭には1万人もの人が関わっているのだそうです。

各町内が、伝統を守るだけではなく、伝統を守ることを軸足に、新しい工夫をして、それを続けられるか検証しながらやっているそうです。

 

30年以上貢献してこられた功労者(ご夫妻も)の表彰式もありました。

 

市会議長の祝辞で、庁舎を改修するので、この議場でくじ取り式を行うのは今年が最後ということでしたので、今回見学できて本当によかったです。

 

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帰りはなんのことはない、普通に階段を降りて正面玄関からすぐに外に出られました。

外壁工事中で囲ってあるので、そこから入るのは少しわかりにくいかも。

 

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