碧筒盃体験
7月6日、京都府立植物園での碧筒盃体験に行ってきました。
蓮の葉を盃として使うなんて、なかなかできないことなので、朝に弱い私もちょっとだけ頑張って、7時すぎに家を出ました。
定員60名ということで、そんなに競争が激しくないせいか、まだそれほどたくさんの人が並んではいませんでした。
会場は、鴨川門に近い、四季彩の丘でした。
45分に整理券が配られ、蓮の葉の冷茶と蓮の実の甘納豆をいただいて、席につきました。甘納豆は黄檗宗萬福寺と書いた袋が置いてありました。
碧筒杯は、もともとは中国起源なのだそうですが、中国では消えてしまい、京都のお寺などに今なお伝わっているそうです。
蓮の茎とは泥に埋まっている部分のことだそうで、長い茎のような部分も、葉なのだそうです。レンコンのような穴が貫通していて、水を吸い上げるのですが、切り花にしてしまうと、吸い上げが悪くなり、つぼみは咲かなくなってしまうのですって。
最初にいただいたのは、葉を焙じて作ったお茶ですが、お話の途中で、実の中にある芽を取り出したものを集めた蓮心茶をいただきました。苦いです。苦いので、甘納豆など作るときにははずすのですが、漢方としての作用があるそうです。
下のようなものです。参考まで。(ここで売っていたわけではありません)
テーマは碧筒杯ということで募集していましたが、今回は、まだ開花が始まって日が浅く、柄がやわらかくて折れずに曲がるので、象鼻杯でした。
本来はお酒を飲むようですが、植物園内は禁酒なので、水でした。
碧筒杯と象鼻杯、どこが違うかと言うと、丸い葉の方を高く掲げてもらって飲むのが碧筒杯で、自分で片手でもっと低い位置に持って、細長い部分をたわめて口に入れるのが象鼻杯だそうです。ぞうさんの童謡を歌うときの振り付けのイメージ。
碧筒杯だと、一気に飲み続けないとこぼれてしまうけれど、象鼻杯は、蓮の葉が水をはじくので注いだお酒が透明な玉になってコロコロするのも目で楽しみながら、自分のペースで味わえるところが、より風流とのこと。
丸い葉の中心の少し白っぽく見える部分は、水は通さず空気を通して、水中の茎が腐らないように空気を供給しているのだそうですが、盃にするときは、竹串やつまようじで穴をいくつかあけます。蓮池に小舟を出して宴会をしている図も配布されたプリントにありましたが、そういう場合は、芸者さんのかんざしなど使ったのではないかと。
家に帰ってから、ほんの少しお酒でやってみましたが、なかなかオツなものでございました。
四季彩の丘周辺に置いてある鉢植えの蓮は、間近に眺めたり、香りを楽しむこともできます。甘いだけでなくて、少しサロメチールみたいな(ツンと来るわけではありませんが)涼やかさもある香りで、品種や、咲いて1日めか、2日目か、によっても違うとのことです。蓮の花は、4日間朝開いて午前中10時から11時ぐらいにはつぼんでしまうのですが、3日目には香りがだいぶ弱くなり、4日目にはつぼまずに散ってしまうそうです。
1日咲いたあと、煎茶をハーブティーやお茶用バッグにつめて、花の中心に置き、つぼみの形に戻して、ひもでしばって香りを移すお茶もあるとのこと。
池の蓮もきれいでした。