前祭 雨の中の山鉾巡行
昨夜は風に家が揺れているような気がしてさすがに不安になりました。
京都の人たちは、京都には台風は来ないと言っていて、
古い家で雨戸がある家はあまり見ない気がします。
ガラス戸は大丈夫かしらと気になりました。
朝になると風はだいぶ治まっていましたが雨が降っていて、
携帯に警戒警報メールが来ました。
斜面は土砂崩れ、川の近くは浸水に注意するようにとのこと。
山鉾巡行はどうなるのか、インターネットで検索すると、
決行するという京都新聞の記事がヒットしました。
山鉾巡行はこちらに来てから毎年見てはいますが、
朝ゆっくり出て御池通で途中から見ていたので、
今年は先頭の長刀鉾から見よう、と前より早めに出ました。
河原町通を四条へ向かえば途中で見られるのではないか、と
歩いて行くと、向こうの方に長刀鉾の姿が。
交差点で辻まわしをしているところでした。
見事に曲がると拍手がおこりました。
長刀鉾にだけ、生稚児が禿(かむろ)ふたりを両脇に従えて乗っています。
おとなに支えてもらって、身を乗り出して扇を差し出し
半円を描く動きをします。「太平の舞」だそうです。
近くにいた人は「これが見られればもういいわ」と言っていました。
次に来たのは一昨日拝観した孟宗山です。
孟宗の人形は乗っていましたが、ビニールがかぶせてあります。
他の山鉾もビニールがかぶせられ、袴と裃の人たちは傘をさしていますが
山鉾を引く人たちは頭に傘をかぶっているものの、びしょ濡れです。
人形を乗せていない山もあってちょっと寂しいですが、お天気がこうでは
しかたありません。
蟷螂山もトレードマークのカマキリが見えませんでした。
くじ改めといって、山や鉾がくじの順番通りか確認する行事を
あわよくば見てみたいと思ったので、堺町目指して四条通を烏丸通方面へ歩きました。
やはり要所要所は人が多いです。
が、なんとか見る事ができました。
裃をつけた人(町行司)が箱を手に烏帽子をつけた人(奉行)のところに行き、
扇子で紐を解いて腕をまわすようにして蓋を開け、
頭をさげると同時に手を伸ばして箱を差し出すと
奉行が中から紙を取り出し、山鉾の名と番号を読み上げます。
町行司が扇で合図すると
山は曳き手たちが担ぎあげて一回転させてから地面に降ろして曳き始めます。
鉾は前に乗っているふたりが応えてかけ声をかけて扇を動かすと、
曳き手がひっぱって動かし始めます。
最後尾の船鉾です。
下に辻まわし用の竹を積んでいます。
これを敷いて上手に角をまがります。
試験にすべらないお守りだとか。
まっすぐ進んでいるときも、微妙に方向を調節するのに
ボートのオールみたいなもの(カブラというらしいです)を
車輪の下に入れています。
巡行している鉾がゴトンというのはこの時なのですね。
通り過ぎた山鉾を少し追いかけました。
あまりよく写っていませんが、辻まわしをしているところです。
お囃子も何種類かあって辻まわしの時は普通に進む時とは違うようです。
このあと、私はお昼を食べてデパートでちょっと買い物をして、
函谷鉾がちょうど鉾町に戻ってあまり時間がたっていなかったらしく
まだお囃子がしばし続いてから、挨拶と手締めをしているところに
行き当たり、長刀鉾をしまうための作業を少し見ました。
タペストリー等をはずし、木をてこにして鉾を持ち上げ、台に載せます。
たぶんその後車輪をはずし、ロープですこしずつ横にして
部品を縛っているロープをほどいて組合わさっている木をはずすのだと
思います。
巡行している間に厄を集めるので、すぐに解体してためないようにするとか、
閉じ込めるとか、清めて天に返すとか、検索してみると諸説が出て来ました。
巡行のときはまだましだったのですが、午後になって雨足が強まりました。
あいにくのお天気の中、関係者の方々はおつかれさまでした。
無事に完了してよかったです。
お旅所の前を通ったら、御神輿をお迎えする準備をしていました。
御神輿は土砂降りの中でたいへんだったでしょうね。
去年のくじ改めの様子がYouTubeにありました。