京都生活 ー雨音に惚れてー

東京から京都に越して来て築90年?の家に住んでいます。見に来ていたときに降り出した突然の雨がトタンの部分に当たる音に惚れて決断した家です。おもしろいこと、すてきな場所、京都について感じたことについて綴ります。

花背の松上げ

出町柳駅から予約しておいた京都バスで花背の松上げを見に行きました。

妹のお友達が迫力があってよかったと言っていたので、思い切って出かける事にしました。

 

が、京都市内だというのに、バスで片道1時間20分ほどかかります。

5時から6時の間に出町柳駅地下で受付、乗車してバスが満席になったら順次出発ということでしたが、5時20分頃出町柳駅に着いたら既に5号車でした。

 

貴船への入り口や鞍馬寺の門前を通り、細い山道をひた走り、時々対向車とすれ違うために待機したりバックしたことも。

 

急な斜面に北山杉がまっすぐに立っています。この斜面に植林し、下枝を払って育てた人たちの苦労が思われます。

 

くねくねとヘアピンカーブをいくつか過ぎると目的地はもうすぐです。

 

大松が倒れたらすぐにバスに戻るように、全員揃わないと出発できないという注意を受けてから、思い思いの場所を取って、始まるのを待ちます。

松明を先端につけた棒(地松・1000本あるそうです)と杉の枯れ枝などを詰めた籠を上につけた大きなヒノキの柱(籠木・とろぎ)が立てられています。

写真では暗くてよく見えなくてごめんなさい。

 

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9時に始まるのでだいぶ時間があります。

混まないうちに仮説のトイレに行ったり、持参したお弁当を食べたり(地元のかたがおむすびやお弁当をある程度売っていたのでそこで買ってもよかった)、地元のかたが作ったトウモロコシを買ったり…

トウモロコシは新鮮で甘くておいしかったです。鍋にどうしても入りきらないひときれは生で食べられたくらい。

 

それでも時間があったので、kindle源氏物語など少し読みました。

普段は紙の本が好きですが、こういう時に電子書籍は便利です。真冬にはお布団にもぐって読めるし。

他の電子書籍でもよかったのかもしれませんが、私はパソコンやスマホの画面を長時間見るのがいやなので、目が疲れないペーパーホワイトが発売になった時に飛びつきました。

懐中電灯で文庫本を読んでいる人もいましたが、最近のLEDライトはブルーライトがきついし、虫が寄って来るようです。

 

日が暮れるにつれ、星が見えて来ました。

都会では見られないほどの数の星です。

「あ、今 流れ星が!」という声がしました。

源氏物語をしまって空を見上げていました。

 

「始まったみたい」という声に、見ると、

左の方から、松明をもった法被姿の男性たちが一列になって歩いて来ました。

 

中心に積まれた木に点火し、たき火のように燃え始めると同時に太鼓と鉦が始まります。火を背景に太鼓を打つ人のシルエットが見えます。

 

両端から地松に点火が始まり、全部ともると幻想的な風景が広がります。

 

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男性たちが10センチほどのヒノキを束ねて荒縄をつけた上げ松を振り回しては大籠目指して投げ上げます。運動会の玉入れみたいな感じ。

 

うまく入ると拍手、入らないときは「惜しい!」とか「あ〜ぁ」とか、見物人は思わず声を出していました。

 

いくつか上げ松が大籠に入り、大きな炎となって燃え始めました。

 

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手前に流れている川にも反射しています。

 

手持ちの上げ松が籠に入ったり燃え尽きたりして大籠が最高に燃えているとき、燈籠木が倒れました。一瞬のできごとです。

炎が地面で一段と燃えあがりました。

 

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このあと、法被を着た人たちが反対側の縄をつかんで引っ張っているようでした。

 

私たちはバスに戻りましたが、地元のかたたちは踊りなどの行事が続くようです。

 

とても美しくておごそかで、片道1時間半近くバスに揺られて行った甲斐がありました。

 

京都府のホームページには日帰り不可と書いてありますが、京都バスに事前に申し込んでおけば可能です。とはいえ11時15分頃に出町柳駅到着で、その年により早く火がついたり遅くなったり、途中の細道の交通事情によって時間は確定ではないので、遠くまで帰るのは厳しいかもしれません。

 

「山村都市交流の森」には宿泊施設もありますが、受付開始後すぐいっぱいになるとか。

 

24日には広河原で松上げが行われます。

 

京都バス公式サイト 「広河原松上げ鑑賞バス受付中」

http://www.kyotobus.jp/news/2015/07/post-21.html

 

 

山村都市交流の森さん主催の日帰りでお弁当つき、国際会館発着もあります。

松上げ鑑賞の夕べ - イベント情報|山村都市交流の森