京都生活 ー雨音に惚れてー

東京から京都に越して来て築90年?の家に住んでいます。見に来ていたときに降り出した突然の雨がトタンの部分に当たる音に惚れて決断した家です。おもしろいこと、すてきな場所、京都について感じたことについて綴ります。

町内のこと

「京都の一部だけ不動産バブル」とどこかで読みました。
うちの方も今まで古い空き家があった所や駐車場だったところに家が建ち始め、一軒やっと終わったと思うとまた別の所で工事が始まって、狭い道路がトラックで塞がっていたり、重機の騒音が響いてきたりして、ちょっと鬱陶しいです。
 
妹が近くのちりめんじゃこ屋さんから聞いたことには、このあたりには東京から移って来た人も多いそうです。
郊外というほどでもありませんが、鉾町などと違って、馴染めるのかどうかという心配が少ないからでしょうか。
かく言う私もその中のひとりですが…
 
どちらかというとちょっと昔(大正末か昭和の始め)の新興住宅地だと思いますが、お父さんの代から住まわれているかたもけっこういて、引っ越しのご挨拶に行ったら「ことばが違うけど、どちらから?」と聞かれたりもしました。
だからといって特に違和感があって住みにくいということもないです。
 
近所の人は「学区がいい」と言います。学区とは区立の小中学校の通学区域ですから学校がいいということでしょうか? 回覧板で当月の学校行事が回って来ます。関係ないからいらないのに、という声も聞きますが、皆で子どもたちの成長を見守る姿勢はいいと思います。
 
それはそれで、町内会はさらに細かく隣組に分かれています。
 
といっても、年に一度「地蔵盆」という行事があるくらいで他に一緒に何かするようなことはありません。東京でも運動会がありましたが、同様にこちらでもなにかのスポーツ大会があったりしますが、参加したい人がすればいいので。
 
普段はお互い干渉しないけれど、なにかあったら協力する、というスタンスです。近くの一人暮らしのかたが自宅で亡くなっていたときも、向かいのかたが「1週間ごみが出ていなくておかしい」と気づいて警察に通報して発見されました。
だから年取ったらマンションより一戸建てがいい、という人もいます。
 
家の前を掃除する「門掃き」をする時は、お隣の何十センチまでやっておくという説もありますが、なにかの本で読んだのは自分のところだけでいいとか。うちの方では必要がなければしないし、あまりこだわっているようには見えません。
 
祇園祭の鉾や山を持っている町に住んでいるかたは、経済的にも負担があるし、引っ越したいくらい、と話していました。
立派な屏風を持っている家は、外から見えるところに飾って生け花くらい置かなくてはならないし、京都の人はボランティア精神があるんだな、と私など感心してしまいます。