両足院の半夏生
初夏の特別拝観で建仁寺塔頭・両足院の半夏生の庭に行きました。
塔頭というのは、高僧が亡くなった後、弟子たちがまわりに庵を造ってお墓を守ったのが始まりだそうで、建仁寺には塔頭がいくつもあり、両足院もそのひとつです。
龍山徳見が入滅したときに墓所として建てられました。
同じような入り口が並んでいますが、特別公開の看板のある階段を上ると両足院です。
拝観料は600円ですが、庭に出るにはお茶の券が必要です(500円)。
去年来た時は同志社の茶道部のボランティアでお抹茶をいただきましたが、今年はお煎茶です。お煎茶のお手前は初めてです。
池のまわりをめぐってお茶室に行きます。
池の反対側から本堂を見たところです。
池のまわりに植えられている、上の方の葉が白くなっているのが半夏生です。
お茶室はふたつあり、左側は水月亭、右は臨池亭となづけられています。前回聞いたところによると、新島八重さんはクリスチャンでありながら禅と茶道を学びにここに来ていたそうです。
お茶席のお菓子には月と星の焼き印があり、中には半夏生の景色を写したという薄緑の餡がはいっています。
床の間の掛け軸は「薫風自南来」と私には読めたのですが、間違っているかも…
お菓子もおいしくいただきましたが、お茶もよい香りがして甘みがあっておいしかったです。
半夏生を見ながら本堂の方へ戻りました。前に来た時はもう少し早い時期だったので、一番上の葉がようやく白くなったところでした。
今回は穂というか花が出ていました。
上から3枚白くなる前に田植えを済ませると言われていたと以前説明のボランティアのかたから聞きました。
調べてみますと、半夏生とは夏至から10日から小暑までとか、11日目とか、多少変遷しているようですが、7月1日か2日あたりのことらしいです。
お茶席の時間ぎりぎりだったので先にそちらに行ってしまい、お庭を拝見してから本堂に行きました。
本堂のご本尊の近くには栄西禅師の肖像と龍山徳見禅師の肖像の掛け軸があります。
ボランティアのかたの説明によると、龍山徳見禅師は仏教を学びに中国に渡り45年過ごし、日本に帰る時には禅師を慕う人たちがついてきましたが、その中の林(りん)浄因という人が日本で初めて餡入りのお饅頭を作ったのだそうです。林氏は後に塩瀬と名前を変えて今も東京で老舗として有名です。
建仁寺の開祖・栄西禅師は中国からお茶をもたらし、龍山徳見禅師はお饅頭をもたらした、ということになります。
京都は何度も戦渦に会い、両足院も何度も焼け落ち、今の建物は160年前のものだそうです。ちょうど黒船が来たり新撰組ができた頃とのこと。
本堂をお参りして、帰りに毘沙門堂をお参りしました。
ここは狛犬ではなく、虎なんです。
お線香立てにも虎が2頭います。
左側の仰向けになっている獅子、あごのしたを撫でたくなってしまいます。
土鈴に入ったおみくじも干支の他に虎があって、かわいいですよ。
(すみません、壁にピントが合ってしまってます…汗)
半夏生と書いてある御朱印をいただいて帰りました。
住職が書かれたそうです。