京都生活 ー雨音に惚れてー

東京から京都に越して来て築90年?の家に住んでいます。見に来ていたときに降り出した突然の雨がトタンの部分に当たる音に惚れて決断した家です。おもしろいこと、すてきな場所、京都について感じたことについて綴ります。

宵山 役行者山の護摩焚き

午後2時から役行者山で聖護院門跡の山伏が護摩を焚くというので、行って見ました。

役行者とは、山伏の親玉」と誰かが説明しているのが聞こえましたが、修験道の開祖だそうです。

2年前くらいに通りかかった時は、それほど苦労しないで見ることができたように思うのですが、今回、北側から行ったのが失敗でした。南から行かないと、何をしているのかほとんど見えません。

私が着いたのは10分前くらいになってしまったので、すでにたくさんの人が。

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山伏たちが町会所の御神体のところに入って行って、しばらくして出てきました。

腰に毛皮をつけています。女性もいました。

 

 

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まず、山伏問答により、本物の聖護院門跡の山伏かどうか確認します。

質問に対し、丁々発止で答えます。歌舞伎の勧進帳みたい!と思いましたが、そういえば勧進帳義経と弁慶一行が山伏になりすまして安宅の関を通ろうとする話ですから、勧進帳の方が山伏問答を取り入れたのですね。元々は能ですが。

 

読経と護摩焚きが始まると、煙がもうもうと立って、風下にいたので煙かったです。

家に帰っても煙の匂いが鼻から取れない感じ。

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儀式終了後に、檜葉や御幣をいただいて帰ると厄除けになるそうです。12時ごろから行っていないと無理と近くの方が話していたので、諦め、鯉山を見に行きました。

鯉山もご存知のように鯉は滝も登るといわれていることから、縁起が良いのと、立派なベルギー製タペストリーがあるので人気があります。

 

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近くのお家がまだ屏風祭をやっていてくださったので、見せていただきました。

外から見えるようにいつもは開けていない戸口や窓から見せてくださっているんです。

毎年見せていただいていますが、中庭が涼しげな素晴らしい建物です。

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窓からは金屏風と生花、鉾の飾りが見えます。奥のお座敷には食卓が設えてあります。

京都生まれの人の話では、下々に屏風など見せ、奥では仕出し屋さんからお料理をとって、客人や親戚などと会食をするのものなのだとか。

 

さて、提灯に火が灯ると風情が増すのですが、人がますます増えて身動きが取れなくなりますし、猫たちが待っているので、帰ることにしました。

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前祭の月鉾はもう解体されてこの中で、来年の出番を待っています。

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橋弁慶山曳き初めと黒主山

橋弁慶山の曳き初めを見学しました。

蛸薬師通烏丸通から少しだけ西に入ったところにあります。

 

11時開始の5分前ぐらいに着くと、ご神体の弁慶と牛若丸の人形はもう載っていましたが、準備が続いていました。

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昨日曳き初めをした他の山は一般人の参加もできたようですが、ここは関係者のみ。というのは、この山は綱を引くのではなく、直接持つからなのですね。

車輪が付いているので、まっすぐ進むときはまあ簡単と思いますが、辻回しはかついで行うので力が必要です。

 

準備が整い、「黒主山」と書いたTシャツを着た関係者の方々が担いで道の真ん中に移動させました。

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先頭をドラを叩く人が歩き、和服に黒紋付の羽織の男性、その後ろに橋弁慶山が進みました。

信号が変わるのを待って、烏丸通の真ん中まで出ると、肩に担いでぐるっと方向転換。

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町会所の前を一旦通り過ぎ、室町通?まで行って、もう一度辻回し。

その間に、町会所の前に、長い竿の先がさすまたみたいになっている道具を持った男性が現れて、電線を持ち上げました。

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そこに山が戻って来ました。

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戻って着た山は町会所にぴったり沿うように置かれました。

 

見ていなかったのですが、多分弁慶と牛若丸は屋内に移動したことと思います。

暑い中お疲れ様でした。

 

近くには登竜門を意味する鯉山があり、タペストリーなどの宝物を拝見するのがお勧めですが、今日は時間がなかったので、そのまま黒主山にうちわを買いに行きました。

黒主山です。

 

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桜の花が目印です。厄除けちまきにも桜の花がつけてあります。

 

黒主山はマンションの一階にあります。

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関係者の「イナ・バウアーと言われてるんですよ」に、「ほんとだ、イナ・バウアーみたい」と拝観者が言ってました。少々古いけど、言われてみればそうですね。

桜を見上げているのだそうです。

京都の地場野菜やお餅が備えられていました。タペストリーなどは巡行の当日には山を飾ります。

 

黒主山には泥棒よけのご利益があるそうです。悪事よけとも。

山を飾った桜は翌年の厄除けちまきの飾りになるそうです。

 

うちわはこちら。柄と形が違うものと2種類ありました。

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歩いていくと、役行者(えんのぎょうじゃ)山がありました。

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ここでは23日に聖護院の山伏が護摩を焚きます。保存会のホームページによると午後2時ごろだそうです。儀式に使われた檜葉や御幣をいただいて帰ると厄除けになるとのことです。

 

 

 

 

 

前祭 山鉾巡行

去年は菊水鉾が鉾町から出発するところから見ましたが、やはりせっかく京都に住んでいるのに全然見ないのはもったいないと、今年は御池通で部分的にですが、前祭の山鉾巡行を見てきました。

17日に行われました。

 

やはり河原町通との交差点は辻回しを見たい人でいっぱいでしたので、今年は少し外して、市役所の前で見ました。

 

去年は雨模様でしたので、山鉾もビニールをかけてありましたが、今年はお天気も回復して、ご神体と綺麗なタペストリーや飾りも見ることができました。

 

去年はいなかったカマキリ。

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背景に木があって見づらいですが、鎌を振り上げたり羽を動かして愛嬌を振りまいていました。人気者です。

 

楽天山です。写真に写っているのは18世紀ベルギー製タペストリー「女狩人」。

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曳き手も国際色豊かでした。

 

鶏鉾の見送(後ろに懸けるタペストリー)もベルギー製ゴブランで、重要文化財です。

イーリアスを題材にしているそうです。

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御池通の南側で見たるより北側で見る方が山鉾が近くを通りますが、ご神体の人形は南側を向いていることが多かったです。

 

 

おまけ

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区役所前広場が掘り返してありました。ネット越しでよくわかりませんが。

さすが古都ですね。

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祇園祭宵山

金曜日に友人と祇園祭の宵宵宵山に行きました。

待ち合わせ場所の菊水鉾に向かう途中、長刀鉾のところを通ると、午前10時過ぎだというのに、厄除けちまきを買う人たちが長蛇の列を作っていました。

数年前午前中で売り切れてしまったことがあったからでしょうか。

 

目抜き通りの四条通にある長刀鉾です。

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四条通を西に進み、烏丸通を渡ったところには函谷鉾があります。

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函谷鉾の町会所では、鉾を飾る立派なタペストリーなどが見られます。

 

 

友人も私もそのうち何か作ろうと思ってはぎれ等集めているので、祇園祭の時だけはぎれを売る呉服屋さんに行ったり、厄除けちまきをいただいたりしたあと、ランチとお茶をしました。

 

鉾町の家やお店では、檜扇の花や祇園祭にちなんだ飾り付けをしているところも多いです。檜扇も厄除けになると言われています。

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屏風祭と言って、所蔵の立派な屏風を外から見えるように飾っている家もあります。

 

 

友人が知り合いのために安産のお札をいただいた占出山です。

山鉾巡行の順番を決めるくじで、今年は山1番を引いたそうです。なんでも、番号が若いほど安産になるとか。

 

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暗くなって提灯に火が灯ると何とも言えない風情になります。

 

山芋とオクラをのせたお蕎麦と鴨やシメジなどの小皿にご飯という、夏らしいお手頃な日替わり定食にしました。

何しろ蒸し暑くて汗だくでしたから。

 

久しぶりに会ったので、少しゆっくり話したくて、冷たいお煎茶が嬉しい三条通伊右衛門さんへ。デザートとおしゃべりを楽しみました。

 

友人と別れてから、山伏山へ行きました。

山伏山では、茅の輪くぐりができるんです。6月の夏越しの祓えに茅の輪くぐりをしそびれてしまったので、ちょっと並んで待ちましたが、くぐってきました。

 

さて、今日は山鉾巡行を明日に控えた宵山でした。

この前去年のちまきを持っていくのを忘れたので、菊水鉾に返しに行き、霰天神山で火災除けのお札をいただいてきました。

家に帰ってしばらくして雷雨がありましたが、鉾町は大丈夫でしたでしょうか。

去年も巡行の日は雨模様で、台風が来た年もありました。

明日は近畿地方では竜巻が起きるかもしれないなどと、とんでもないことを天気予報で言っていましたが、お天気が持ちますように。

 

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祇園祭 曳き初め

7月にはいってから、四条通りのスピーカーからはお囃子が流れているのですが、昨日、今日と山鉾の曳き初めがありました。解体して保管してあった山鉾は10日からロープを使って組み立てられます。鶏鉾と菊水鉾の鉾建てを、お友達と見ていたことがあるのですが、猛烈な蒸し暑さの中での作業は大変です。横にした形で組み立て、完成するとロープを引いて起こします。

 

昨日12日は函谷鉾、鶏鉾、菊水鉾、月鉾、長刀鉾、今日13日は蟷螂山、放下鉾、船鉾、岩戸山がそれぞれの鉾町で一般人も参加して行われました。

 

昨日の四条通での長刀鉾の曳き初めを見学することができました。

巡行するときの山鉾の順番は、2日にくじで決まるのですが、長刀鉾は、祇園祭では必ず先頭と決まっていて、大きく華やかで、人形ではなく生きた稚児が乗っているので、一番人気です。厄除け粽(ちまき)も長刀鉾のを玄関先につけている家が多分一番多いです。

本番の巡行の時と同様に、囃子方と稚児たちも乗っていました。

ああ、本当に祇園祭は、ワクワクします。

 

巡行と違って、曳き初めの時は一般人も曳かせてもらえます。小学生たちも

加わっていました。

 

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時々、稚児が身を乗り出して舞います。実際は舞うというほど動くわけではないのですが、太平の舞といって、人々の平穏を祈るような、祝福するような動きです。

 

扇子を持った人ふたりが音頭を取ります。

「えん・やら・やー」の声と共に扇子を前に出すと、鉾が前に動きます。

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車がゴトゴト、ギシギシ音を立てます。平安貴族の牛車もこんな音を立てていたのでしょうか。

まっすぐ走っているようでも、微妙にコースを外れそうになると、ボートのオールみたいな木の道具を車輪の下に入れて向きを調整するところも、山鉾巡行と同じにしていました。

100メートルくらい?行って、ロープを反対側に付け替え、稚児と音頭方、綱を曳く人たちが場所を変え、囃子方は同じ場所で向きを変えて町会所に戻るために再び進み出しました。

ちゃんと正しい位置に着きました。

タラップ?が前に出されて、鉾を降りて会所に入って行きました。

 

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帰ろうと歩き始めたら、「祇園祭 交通信号作業車」の幕をつけたはしご車が信号のところに止まっていました。ちょうど作業が済んだところでしたが、鉾が通れるように向きを変えてあった信号機を通常の位置に戻す作業をしていたようです。

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美玉屋さんの黒蜜だんご

北大路の私がよく通る区間には和菓子屋さんが3軒もあるのですが、最初から気になっていた、「黒蜜だんご」の看板。登録商標と書いてあります。

(写真撮るのを忘れました。いずれそのうちに)

 

どうして今まで見るだけで買ってみなかったかというと、バラ売りがなくて、1パック10本というのがネックになっていたのです。

 

この前水無月を買ったお店でもあります。

そんなに大きくない「町の和菓子屋さん」という感じで、ネットで検索してみると、創業は70年以上前だそうです。水無月も美味しかったけれど、黒蜜だんごの評判も上々なので、どうしても食べてみたくなりました。

 

多すぎるのはわかっていましたが、誰かが遊びに来るのも待っていられず、ついに今日買ってしまいました。

 

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きな粉がこぼれないように、和

菓子をのせるにはちょっと大きなお皿を選びました。

といってもこの前の水無月と同じお皿ですけど。

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店頭で見ていた感じから、わらび餅みたいなものを想像していましたが、上新粉のやわらかいお団子で、それとの境目がとろっと溶け合うように黒蜜ときな粉がくるんでいる、全体にとろんとした食感が珍しくて美味なものでした。

 

数時間置いたら、お団子の部分は相変わらず柔らかめですが心なしか普通のお団子っぽくなりました。蜜に葛が混ぜてあるので、とろとろなのですね。

 

やはり本日中にお召し上がりくださいと書いてあります。

夕飯はお団子?

 

水無月

和菓子屋さんが決めたのだと思いますが、 6月30日は「水無月の日」だそうで、今年も水無月を買ってくるのを忘れませんでした。

今年は北大路にある美玉屋さんのにしてみました。

氷室の氷を模したという白いういろうに小豆がのっているのと、黒砂糖のういろうのです。お抹茶のもありましたが、あんまり食べ過ぎになるので2種類に。

 

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甘さ控えめのもっちりしたういろうに柔らかい小豆が美味しゅうございました。

 

このところ梅雨らしくなってお天気が良くなかったため、茅の輪くぐりには行きそびれました。下鴨神社の御手洗祭か、祇園祭宵山の山伏山の茅の輪くぐりで厄を除けることにしましょう。

 

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