橋弁慶山曳き初めと黒主山
橋弁慶山の曳き初めを見学しました。
11時開始の5分前ぐらいに着くと、ご神体の弁慶と牛若丸の人形はもう載っていましたが、準備が続いていました。
昨日曳き初めをした他の山は一般人の参加もできたようですが、ここは関係者のみ。というのは、この山は綱を引くのではなく、直接持つからなのですね。
車輪が付いているので、まっすぐ進むときはまあ簡単と思いますが、辻回しはかついで行うので力が必要です。
準備が整い、「黒主山」と書いたTシャツを着た関係者の方々が担いで道の真ん中に移動させました。
先頭をドラを叩く人が歩き、和服に黒紋付の羽織の男性、その後ろに橋弁慶山が進みました。
信号が変わるのを待って、烏丸通の真ん中まで出ると、肩に担いでぐるっと方向転換。
町会所の前を一旦通り過ぎ、室町通?まで行って、もう一度辻回し。
その間に、町会所の前に、長い竿の先がさすまたみたいになっている道具を持った男性が現れて、電線を持ち上げました。
そこに山が戻って来ました。
戻って着た山は町会所にぴったり沿うように置かれました。
見ていなかったのですが、多分弁慶と牛若丸は屋内に移動したことと思います。
暑い中お疲れ様でした。
近くには登竜門を意味する鯉山があり、タペストリーなどの宝物を拝見するのがお勧めですが、今日は時間がなかったので、そのまま黒主山にうちわを買いに行きました。
黒主山です。
桜の花が目印です。厄除けちまきにも桜の花がつけてあります。
黒主山はマンションの一階にあります。
関係者の「イナ・バウアーと言われてるんですよ」に、「ほんとだ、イナ・バウアーみたい」と拝観者が言ってました。少々古いけど、言われてみればそうですね。
桜を見上げているのだそうです。
京都の地場野菜やお餅が備えられていました。タペストリーなどは巡行の当日には山を飾ります。
黒主山には泥棒よけのご利益があるそうです。悪事よけとも。
山を飾った桜は翌年の厄除けちまきの飾りになるそうです。
うちわはこちら。柄と形が違うものと2種類ありました。
歩いていくと、役行者(えんのぎょうじゃ)山がありました。
ここでは23日に聖護院の山伏が護摩を焚きます。保存会のホームページによると午後2時ごろだそうです。儀式に使われた檜葉や御幣をいただいて帰ると厄除けになるとのことです。
前祭 山鉾巡行
去年は菊水鉾が鉾町から出発するところから見ましたが、やはりせっかく京都に住んでいるのに全然見ないのはもったいないと、今年は御池通で部分的にですが、前祭の山鉾巡行を見てきました。
17日に行われました。
やはり河原町通との交差点は辻回しを見たい人でいっぱいでしたので、今年は少し外して、市役所の前で見ました。
去年は雨模様でしたので、山鉾もビニールをかけてありましたが、今年はお天気も回復して、ご神体と綺麗なタペストリーや飾りも見ることができました。
去年はいなかったカマキリ。
背景に木があって見づらいですが、鎌を振り上げたり羽を動かして愛嬌を振りまいていました。人気者です。
白楽天山です。写真に写っているのは18世紀ベルギー製タペストリー「女狩人」。
曳き手も国際色豊かでした。
鶏鉾の見送(後ろに懸けるタペストリー)もベルギー製ゴブランで、重要文化財です。
イーリアスを題材にしているそうです。
御池通の南側で見たるより北側で見る方が山鉾が近くを通りますが、ご神体の人形は南側を向いていることが多かったです。
おまけ
区役所前広場が掘り返してありました。ネット越しでよくわかりませんが。
さすが古都ですね。
祇園祭宵山
待ち合わせ場所の菊水鉾に向かう途中、長刀鉾のところを通ると、午前10時過ぎだというのに、厄除けちまきを買う人たちが長蛇の列を作っていました。
数年前午前中で売り切れてしまったことがあったからでしょうか。
四条通を西に進み、烏丸通を渡ったところには函谷鉾があります。
函谷鉾の町会所では、鉾を飾る立派なタペストリーなどが見られます。
友人も私もそのうち何か作ろうと思ってはぎれ等集めているので、祇園祭の時だけはぎれを売る呉服屋さんに行ったり、厄除けちまきをいただいたりしたあと、ランチとお茶をしました。
鉾町の家やお店では、檜扇の花や祇園祭にちなんだ飾り付けをしているところも多いです。檜扇も厄除けになると言われています。
屏風祭と言って、所蔵の立派な屏風を外から見えるように飾っている家もあります。
友人が知り合いのために安産のお札をいただいた占出山です。
山鉾巡行の順番を決めるくじで、今年は山1番を引いたそうです。なんでも、番号が若いほど安産になるとか。
暗くなって提灯に火が灯ると何とも言えない風情になります。
山芋とオクラをのせたお蕎麦と鴨やシメジなどの小皿にご飯という、夏らしいお手頃な日替わり定食にしました。
何しろ蒸し暑くて汗だくでしたから。
久しぶりに会ったので、少しゆっくり話したくて、冷たいお煎茶が嬉しい三条通の伊右衛門さんへ。デザートとおしゃべりを楽しみました。
友人と別れてから、山伏山へ行きました。
山伏山では、茅の輪くぐりができるんです。6月の夏越しの祓えに茅の輪くぐりをしそびれてしまったので、ちょっと並んで待ちましたが、くぐってきました。
この前去年のちまきを持っていくのを忘れたので、菊水鉾に返しに行き、霰天神山で火災除けのお札をいただいてきました。
家に帰ってしばらくして雷雨がありましたが、鉾町は大丈夫でしたでしょうか。
去年も巡行の日は雨模様で、台風が来た年もありました。
明日は近畿地方では竜巻が起きるかもしれないなどと、とんでもないことを天気予報で言っていましたが、お天気が持ちますように。
祇園祭 曳き初め
7月にはいってから、四条通りのスピーカーからはお囃子が流れているのですが、昨日、今日と山鉾の曳き初めがありました。解体して保管してあった山鉾は10日からロープを使って組み立てられます。鶏鉾と菊水鉾の鉾建てを、お友達と見ていたことがあるのですが、猛烈な蒸し暑さの中での作業は大変です。横にした形で組み立て、完成するとロープを引いて起こします。
昨日12日は函谷鉾、鶏鉾、菊水鉾、月鉾、長刀鉾、今日13日は蟷螂山、放下鉾、船鉾、岩戸山がそれぞれの鉾町で一般人も参加して行われました。
昨日の四条通での長刀鉾の曳き初めを見学することができました。
巡行するときの山鉾の順番は、2日にくじで決まるのですが、長刀鉾は、祇園祭では必ず先頭と決まっていて、大きく華やかで、人形ではなく生きた稚児が乗っているので、一番人気です。厄除け粽(ちまき)も長刀鉾のを玄関先につけている家が多分一番多いです。
本番の巡行の時と同様に、囃子方と稚児たちも乗っていました。
ああ、本当に祇園祭は、ワクワクします。
巡行と違って、曳き初めの時は一般人も曳かせてもらえます。小学生たちも
加わっていました。
時々、稚児が身を乗り出して舞います。実際は舞うというほど動くわけではないのですが、太平の舞といって、人々の平穏を祈るような、祝福するような動きです。
扇子を持った人ふたりが音頭を取ります。
「えん・やら・やー」の声と共に扇子を前に出すと、鉾が前に動きます。
車がゴトゴト、ギシギシ音を立てます。平安貴族の牛車もこんな音を立てていたのでしょうか。
まっすぐ走っているようでも、微妙にコースを外れそうになると、ボートのオールみたいな木の道具を車輪の下に入れて向きを調整するところも、山鉾巡行と同じにしていました。
100メートルくらい?行って、ロープを反対側に付け替え、稚児と音頭方、綱を曳く人たちが場所を変え、囃子方は同じ場所で向きを変えて町会所に戻るために再び進み出しました。
ちゃんと正しい位置に着きました。
タラップ?が前に出されて、鉾を降りて会所に入って行きました。
帰ろうと歩き始めたら、「祇園祭 交通信号作業車」の幕をつけたはしご車が信号のところに止まっていました。ちょうど作業が済んだところでしたが、鉾が通れるように向きを変えてあった信号機を通常の位置に戻す作業をしていたようです。
美玉屋さんの黒蜜だんご
北大路の私がよく通る区間には和菓子屋さんが3軒もあるのですが、最初から気になっていた、「黒蜜だんご」の看板。登録商標と書いてあります。
(写真撮るのを忘れました。いずれそのうちに)
どうして今まで見るだけで買ってみなかったかというと、バラ売りがなくて、1パック10本というのがネックになっていたのです。
この前水無月を買ったお店でもあります。
そんなに大きくない「町の和菓子屋さん」という感じで、ネットで検索してみると、創業は70年以上前だそうです。水無月も美味しかったけれど、黒蜜だんごの評判も上々なので、どうしても食べてみたくなりました。
多すぎるのはわかっていましたが、誰かが遊びに来るのも待っていられず、ついに今日買ってしまいました。
きな粉がこぼれないように、和
菓子をのせるにはちょっと大きなお皿を選びました。
といってもこの前の水無月と同じお皿ですけど。
店頭で見ていた感じから、わらび餅みたいなものを想像していましたが、上新粉のやわらかいお団子で、それとの境目がとろっと溶け合うように黒蜜ときな粉がくるんでいる、全体にとろんとした食感が珍しくて美味なものでした。
数時間置いたら、お団子の部分は相変わらず柔らかめですが心なしか普通のお団子っぽくなりました。蜜に葛が混ぜてあるので、とろとろなのですね。
やはり本日中にお召し上がりくださいと書いてあります。
夕飯はお団子?
「動いている庭」を見に立誠シネマに行きました
たまたま「動いている庭」という本の広告を見かけて検索したら、ちょうど映画を上映中と知りました。
京都の上映会場である木屋町にある立誠シネマは、元小学校の建物にありました。
何度も前を通ったことがありながら、映画館が入っているとは気づきませんでした。
「動いている庭」は、庭師(作庭家というべきか)のジル・クレマンが自分の広大な庭を案内したり手入れしたりしながら庭に対して持っている哲学を語るところや、講演のために来日して、日本の庭を研究しているフランス人と日本人と名庭を巡りながら語るところを撮影したドキュメンタリーです。おでんを食べる時には、コンニャクに驚いて、あの花の根が食べられるとは知らなかったとか、ごぼうも食べられるとは思わなかったと、庭師らしい感想を述べていました。
ジル・クレマンは「できるだけあわせて、なるべく逆らわない」という主義で、彼の庭は自然に生えてきたものも生かし、ちょっと見には自然そのままに見えるのですが、最小限のいらないものは抜いたりもしています。
「通り道にこの草が生えてきたけれど、抜きたくないので、道を変えました。それが動いている庭です」と語っています。
日本の庭は、木を常に同じにしておくために刈り込むが、木は生長するものなのにおかしいとも。
瑞々しい緑の中で、雨の中作業する音や色彩、小さな流れにサンショウウオがいたりするのも、心地よかったです。
昼食をとらずに行ったので、始まる前にカフェに行きました。食事はないので、クッキーとほうじ茶をいただきました。ほうじ茶は熱くて飲みきれなかったので、会場に持って行きました。
カフェは一階の入り口を入ってすぐのところにあるのですが、最初見逃してしまいました。よく見ると「営業中」の札が。
カフェの中です。
窓際に座りました。中庭に面しています。
私に写真の知識と腕があれば、もっと素敵に撮れるのに、残念。
カフェの窓から正面に見えた水道です。
校舎は1923年に建設されたもので、小学校は1993年開校、今はイベントなどにも使われています。この地でリュミエール兄弟のシネマトグラフが日本で最初に投影されたとのことです。
校歌と卒業生制作のパネルがありました。
シネマは3階にあって、定員数十人と小ぢんまりしています。低い椅子にくつろいで座って見られました。
今度この建物を宿泊施設にする計画ができて、立誠シネマは名前を変えて出町柳に移転することになったと、数日前のニュースで聞きました。
ここは7月30日で閉鎖されるそうです。
この映画館、もっと早く知っていればよかった。
外観です。
高瀬川に面しています。
【重要】立誠シネマ終了、移転のお知らせ | 立誠シネマプロジェクト